ありのままで完全完璧

ついつい昔の癖で完全主義、完璧主義に戻りかけている自分に気付いた時は、空を見上げて思うのです。

「あの太陽ですら、完璧じゃない」

生きていくには必要不可欠な存在なのに、手の届く場所にいるわけじゃない。

むしろ、あんなに温かな癒やしのオーラを放ちながらも、命あるものを寄せ付けない近寄りがたささえあるのが、太陽。

コミュニケーションの基本だからと、視線を合わせ続けようものなら、こちらの瞳がやられてしまう。

ある時は町の水がめを干上がらせるほど惜しみなく光を注ぐかと思えば、またある時は、野菜や花までうなだれるほど、厚い雲の向こう側に何日も引きこもって出てこない。

こちらの都合で早く夜明けが来てほしいと祈る時もあれば、早く沈む夕日を見たいと願う時もある。

いつでも誰にでも100点の癒やしを運ぶ存在ではないのだ。

だからといって、太陽に変わってほしいと本気で思うことなど一度もない。

それは、いつ何時も100点ではない太陽が、今のまま、そのままで完璧だからこそ。

その太陽の光に育まれた海の幸、大地の恵み、そして命を頂きながら生きることは、不完全で、けれどもその状態こそが完璧な太陽の光を日々、体内に取り込みながら生きること。

太陽の光を頂きながらできた血や骨や肉を持つ私もまた、不完全で当然。

そして太陽と同じように、不完全でありながらも完璧なのだ。

ついつい完璧、完全を求める自分に気付いた時は、空を見上げてこう思うのです。

てにをは書房店主・ばんどうよしえ

知的好奇心も癒やす店主直筆コラム

ヒーリングで人生を変えた店主プロフィール

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